1  |
乾為天
(けんいてん) |
ものごとに誠実にあたれば、必ずうまくいくでしょう。大きな飛躍のために惜しみない努力をしてください。 |
〓解釈〓
上卦・下卦ともに「天」の卦です。
すべての爻が陽であり、欠けたところがないため、完全でありこれ以上発展しようがないという意味もあります。
また、「天」を二つ重ねた卦は「人」には高すぎ、高慢・昂ぶりを意味することもあります。
ですが、全てが陽のこの卦は吉の意味合いの方が強いので、「謙虚に、誠実に努めればすべて良し」です。
〓変爻〓
初爻:しばらくは準備期間 二爻:成功は間近 三爻:停滞。後、成功する 四爻:大仕事の前の点検、準備期間 五爻:大成功する 上爻:成功後の転機、後退
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2  |
坤為地
(こんいち) |
何事も控えめにして吉です。
人に従い、柔順な態度で、何事にも受身の姿勢でいれば良いでしょう。 |
〓解釈〓
「地」が重なった純陰の卦です。
陰と陽の性質は「強剛と柔弱」「君と臣」「積極と消極」などの形で現れます。
ですからこの卦では「柔順で地味」でいるのが良いのです。
また「地」は「大地」ですので、流れに従って進んでいけば、かならず多くの実りをもたらすでしょう。
〓変爻〓
初爻:準備期間の始まり。先は長い 二爻:真正直に事にあたると吉 三爻:能力の発揮は控えめが吉 四爻:安全第一。すべて控えめに 五爻:女性的なこと、大吉 上爻:波乱。下の立場が不利。消極的に。
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3  |
水雷屯
(すいらいちゅん) |
物事がうまく行かず思い悩む卦です。当分は苦労と努力が必要ですが、この困難は突破する事ができます。 |
〓解釈〓
第一卦、第二卦の「天地」があって、後に万物が生じます。
初めて生ずるのは「屯」で、「物が初めて生じた。水中に微生物が動く」という意味です。
物が初めて生じたときにあるのは「悩み」です。
植物が芽を出し、固い大地に根をおろして発展するため、相当の間、苦労し、努力しなければなりません。
「雷」は「動く」の意味です。困難の中に動き回ることを示します。
物事が発展へと向かいつつも、それについての苦労があります。
この困難は突破することができますので、この卦は希望卦と解釈できます。
〓変爻〓
初爻:動けない。しかし逆に吉 二爻:道は長いが近道は禁物 三爻:目先の利益は捨てるのが吉 四爻:ゆっくり進める。一人では進めない 五爻:思いつきの行動は凶 上爻:動いてはならない
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4  |
山水蒙
(さんすいもう) |
迷い、行く先が分からない状態です。人に教示を求めましょう。前途に希望はあります。 |
〓解釈〓
「蒙」の本質は「暗い」です。
「山」の下に「水」があり、霧が生じて何も見えない様子を表します。
また、水の流れを山が塞き止めた形でもあり、「暗い・行き先も分からない」という意味です。
けれど、塞き止められた水も適当に道がつけば海に流れ出ることが出来ます。
それには誘導が必要であり、人に教わり、教育を受けるのが良いでしょう。
〓変爻〓
初爻:厳しい態度で良し。基礎が大切 二爻:無知に寛大な態度が吉 三爻:見込みなし。引くのが良い 四爻:真実を知らない。情報を大事に 五爻:無知を知り、謙虚に学ぶと大吉 上爻:進むより現状維持の努力
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5  |
水天需
(すいてんじゅ) |
今はまだ、その時ではありません。自分を磨き、待つ時期です。しかし、必ず成就するでしょう。 |
〓解釈〓
「需」とは待つという意味です。
「需」は人間の“あごひげ”が伸びる形で、あごひげが伸びて大人になる、成長するのを待たなければなりません。
水天需は「天」の上に「水」がある状態で、「水」は「大川」、大変な困難、危険をあらわします。
ただ、この「大川」を渡ろうとしているものは三陽の「天」で、それがどんな困難であろうと渡りきることができます。
今は、その「大川」を乗り切るための準備期間です。
〓変爻〓
初爻:当面は無理。方法を変えよ。 二爻:時がたてばなんとか叶う。 三爻:悪状況の中で待つ。 四爻:闘い、抵抗して待つ。 五爻:楽しく待つ。 上爻:悪状況を乗りきれば叶う。
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6  |
天水訟
(てんすいしょう) |
争いごとがあり、しかも不利です。ほどよいところで身を引くのが良いでしょう。深みに陥ると凶です。 |
〓解釈〓
訟は「争い」です。
「水」の上に「天」が乗った形です。
「水」は誠実ですが、頑固な剛陽「天」に押さえつけられ、上に通じません。
また天は上に行き、水は下へと流れ、交わる事もありません。
いくらこちらが誠実であっても、訴えは届かず、深みにはまると身動きが とれなくなってしまいます。
道理を知っている人に教えをうけ、ほどよいところで中止するのが良いでしょう。
〓変爻〓
初爻:早く切り上げるのが吉。 二爻:勝てない。脱出すべき時。 三爻:何もしないで静観の時。 四爻:争いに負ける。 五爻:状況は悪いが訴えて吉。 六爻:争いを起すと凶。
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7  |
地水師
(ちすいし) |
誠実さが第一です。非常な困難にあっても誠実であれば成功します。ただし、誠実さを欠けば失敗します。 |
〓解釈〓
「師」は軍の指揮官をあらわします。
二爻の陽(軍師)が残りの5つの陰(軍隊)を従えて戦争に行く形です。
つまり、困難の中にあるリーダーを示していて、リーダーは自分に誤りがないよう誠実に行動するほか成功する道がないとしています。
また、卦の形は「地」の下に「水」があり、地下水を表します。
地下水は目に見えず、人々に無限の供給をしてくれており、
「地水師」は、人に知られず、何も求めず仕事をする人を象徴します。
〓変爻〓
初爻:規律を正しくして吉。 二爻:すばらしいリーダーシップを発揮する時。 三爻:功績なし。 四爻:防御が第一。 五爻:利はあるが苦労する。 上爻:成功する。成功に寄ってくる人に注意。
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8  |
水地比
(すいちひ) |
信頼できる人が現れる、心を許さなかった人と親しくなるなど、誠実な人間関係ができ、助けられるでしょう。 |
〓解釈〓
「比」は親しむ、の意です。
「地」の上に「水」がある形で、ちょうど地上を流れる水が大地との間に少しの隙間もないようにぴったりと比和している状態をあらわします。
いつまでも変わらぬ誠意をもって人に接すれば、これまで心を許さなかった人までも親しんできます。
また、この卦では遅れるものは凶としています。
〓変爻〓
初爻:誠意をもって吉。 二爻:違いを認めあって吉。 三爻:親しくならない方が良い。 四爻:上下関係の親しみ吉。 五爻:新たな友人と親しんで吉。 上爻:親しもうとして失敗する。
※変爻がない場合、多くは吉兆で人の助けから希望が叶うとしています。
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9  |
風天小畜
(ふうてんしょうちく) |
まだ時が至らず、準備期間です。邪魔が入ることもあります。努力をを重ね、精進してください。時が来れば叶います。 |
〓解釈〓
「畜」には「たくわえる、とどめる、やしなう」という意味があります。
卦の形は、「天」の上に「風」があり「風天上を行く形」と言われます。
天が進もうとしても四爻の陰に押さえられて進めない、雨が降ろうとして、降らない。
まだ時が至っていない、邪魔があることを示します。
また、「小畜」の「小」は妨げる陰が小さいものであることを示し、努力し、自分を磨いていけば希望は叶うとの意味があります。
〓変爻〓
初爻:もと来た道を戻るのが吉。 二爻:もと来た道を戻る。利あり。 三爻:障害があり、進めない。 四爻:損はするが、軽くすむ。 五爻:誠実にして利あり。 上爻:女性に関して凶。
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10 |
天沢履
(てんたくり) |
礼儀を重んじ、あえて争わず、和を大切にすれば大胆なことをしても上手くいくでしょう。 |
〓解釈〓
「履」は「礼儀」であり、普通は「ふむ」と読んで人間として踏むべき道を示しています。
「天」の下に「沢」がある形をしています。
「天」は八卦中もっとも上にあり、「沢」はもっとも下にある卦です。
「天」も「沢」もあるべき位置についていることから上下関係の正しさ、礼節が守られていることを意味します。
この卦には、「虎の尾を踏んでも、礼節さえ守れば食われず。通る」という解釈があります。
何事も順序を守り、礼を守れば成功するでしょう。
〓変更〓
初爻:つつましい願いなら叶う。 二爻:なりゆきにまかせて吉。 三爻:敬意をもって振舞えず、凶。 四爻:敬意をもって振る舞い、吉。 五爻:強引にならないよう注意 上爻:状況を反省してみると吉。
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11 |
地天泰
(ちてんたい) |
物事が上手く運び嬉しいことがあります。また上下関係も上手く行きます。ただし、楽しみが極まり油断をすると運は落ちていくでしょう。 |
〓解釈〓
「泰」は「やすらか」です。
「地」が上にあり「天」が下にある形で、上下転倒したように見えますが、
「地」は下に行き、「天」は上に昇るものなので、陰陽の気が充分に交わりバランスがとれて上手くいく、という意味になります。
上下関係でも、上司、部下の心が良く通じ合って不平もなくなり楽しんでいる、とあります。
とても良い卦に思えますが、陽は極まれば陰に転じます。
楽しみが極まって哀しみが生ずるとあり、油断をすれば状況は変わっていってしまうでしょう。
〓変爻〓
初爻:協力して吉。 二爻:行動にでる時。 三爻:誠実にして利あり。 四爻:利あり。高慢に注意。 五爻:様々な関係が固まる 上爻:「泰」が崩れる時。
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12 |
天地否
(てんちひ) |
今は思うように事が運びません。将来のことなら希望が持てます。 |
〓解釈〓
「否」は乱世の象徴です。否の本質は「隔(へだてる)」「塞(ふさぐ)」であり、希望が通りません。
この卦は「天」が上に「地」は下にある形をしています。
「天」は上に昇り、「地」は下に集まり、上下の意思の疎通がありません。
下の気持ちは上に通じず、上は下の苦しみを察知しようとしません。
争いが生じてもおかしくない状態です。
現状は悪いものですが、将来的には動きがあり、希望が持てます。
〓変爻〓
初爻:誠実を守る。 二爻:災難が多い。 三爻:身を慎む。 四爻:目上の指示に従う。 五爻:全体全員の事を考え、対処する。 上爻:後に喜びがある。
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13 |
天火同人
(てんかどうじん) |
大勢の人と協力してすることは必ずうまくいくでしょう。特に、上下関係の集まりではなく、皆同じ立場の仲間である場合が良いです。 |
〓解釈〓
この卦は「つく」という意味を持ちます。
「天」の下に「火」がある形で、火(太陽)が天について世界を照らしている様子です。
「天」と「火」は同じ場所にあることから、「天と火は同人なり」とあり、同じ意思を持った人が同人として集まり、共に仕事をすることを示しています。
また、指導者は「天」であることから、この集まりは正しい方向へ進むことができるでしょう。
※天候を占って、この卦が出たなら必ず晴天になると言われています。
〓変爻〓
初爻:同じ信念を持つ人が集まる、吉 二爻:親類が集まる、凶 三爻:成就するには時間がかかる 四爻:身を引くのが吉 五爻:行動に出る、大吉 上爻:病人には凶、その他吉
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14 |
火天大有
(かてんたいゆう) |
時が至り、成功も目前です。こんな時は謙虚に、天地の徳に従って行動しなければなりません。 |
〓解釈〓
「大有」の「大」は「陽」のことで、「有」は「手に持つ」の意味です。
五爻の「一つの陰」が「5つの陽」を手に持っている形で、チャンスがめぐってきたことを示しています。
また、上卦の「火」の形は、陰が二つの陽に挟まれている形で、おとなしくしている、謙虚にしているという意味があります。
しかも下卦が「天」ですので、「5つの陽」を従える「一つの陰」が成功を納めるには謙虚な態度で天地の徳に従って行動しなければならない、としています。
道理にしたがって行動すれば、必ず成功するでしょう。
〓変爻〓
初爻:道を阻むものはない 二爻:必ず成功する 三爻:目上の人からの助けあり。実力もある 四爻:周りに気を配って吉 五爻:「飛竜在天」昇竜の勢い、大吉 上爻:天の助けあり、大吉
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15 |
地山謙
(ちざんけん) |
謙虚であることが、とても大切です。謙虚な人は後々必ず成功するでしょう。 |
〓解釈〓
高いはずの「山」が、最も低い「地」の下にある形です。
この卦を得たらとにかく謙虚であることが求めらます。
力や富がある者ほど謙虚であることが求められ、謙虚であれば必ず成功します。
謙虚にしていると、最初は得るところがあまりなくても、最後には多くを得ることが出来るでしょう。
〓変爻〓
初爻:謙虚で大仕事ができる 二爻:謙虚さを外に出して吉 三爻:功労があり謙虚。人に慕われる 四爻:謙虚な人物を抜擢して吉 五爻:昂ぶらず、謙虚で吉 上爻:立場をわきまえて謙虚に
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16 |
雷地豫
(らいちよ) |
物事を始める時でもあり、楽しい時でもあります。この時、遊びを慎み、努力することがとても大切です。 |
〓解釈〓
「雷」が「地」の上にある形で、冬の間地中に埋もれていた「雷」が春になり地上に上がって遊び喜ぶ状態です。
「豫」の字は「予」と「象」の組み合わせで、「象」に物を与える(予)と「喜ぶ」ふりをする、という所からきています。
この卦は、四爻の一つの陽が、他の5つの陰を従えている形です。
陰には自発的な力はなく、陽の言いなりに動きます。
一つの陽は「雷」の陽であり、本質が「動く」ですので、「楽しくて仕方がない」という状態、つまり「遊び過ぎ」、そこから「遊びを戒める」という意味合いになります。
物事が始まる時でもありますので、この時遊びすぎず努力する事が大切です。
〓変爻〓
初爻:楽しみにふけると凶 二爻:将来のために慎む 三爻:楽しみはしばらく先 四爻:人が集まり、良い楽しみ方をする 五爻:楽しみの中にも憂いあり 上爻:楽しみに目がくらんでいる、凶
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17 |
沢雷随
(たくらいずい) |
時がこなければ本領を発揮することが出来ません。不当な立場にあるかもしれませんが、楽しい事もありますので今は力を蓄えて待ちましょう。 |
〓解釈〓
「随」とは「従う」です。
「沢」の下に「雷」がある形で、
・竜(雷)が沢の中に潜んでいる
・秋(沢)に春(雷)が抑えれられ、時が至らなければ出て来れない。
・男子(雷)が少女(沢)の愛に溺れている。 等の解釈があります。
能力を発揮できない時期かもしれませんが、心を正しくして自分の力を蓄えているなら、楽しむ時には大いに楽しんでよい時でもあります。
※結婚を占ってこの卦が出ましたら大吉です。
〓変爻〓
初爻:変化・転身の機会が近い。変化して吉 二爻:従っている人物が良くない 三爻:立派な人物に従って吉。 四爻:自分の立場をわきまえて従う 五爻:良い主従関係にある 上爻:主従関係を見直す。慎重に
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18 |
山風蠱
(さんふうこ) |
物事が破綻する時です。けれど決して悪くはなくその後、大改革をすることで新たな良い道が開けます。 |
〓解釈〓
「蠱」は皿の上の食物を虫が集まって食い荒らす形で、物事が内から破れる意味を含んでいます。
「山」の下に「風」がある形で、
・上のものは昂ぶり下のものはへつらう、国家の乱れ
・魚(風)の上に蓋(山)をしておけば腐敗して虫が生ずる
・長女(風)が少年(山)をたぶらかす、 等の解釈をします。
非常に悪い卦のようですが、易経では物事が腐敗し破綻すれば新たなものが栄えるのが自然の循環であり、この期に大改革や大事業を起すべきとしています。
〓変爻〓
初爻:父(のような人、目上の人)を正す。建て直しができる 二爻:母(のような人)を正す。おだやかに 四爻:父(のような人)を正す。深みで手がつけられない。静観の時 五爻:破綻後の建て直し。吉 上爻:一人その場(腐った場所)を離れる。 三爻:父(のような人)を正す。初爻より状況は深刻
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19 |
地沢臨
(ちたくりん) |
チャンスの到来です。自信を持って事にあたれば必ず成功します。 |
〓解釈〓
低いところにある「地」がさらに低い所を流れる「沢」を見下ろす、臨む形です。
「臨」は「大」を意味します。
少女(沢)が母(地)に従うように、自信と誠意をもって行動すれば周りも貴方についてくるでしょう。
〓変爻〓
初爻:チャンス到来を感じる 二爻:万事良し 三爻:気を引き締めて臨む 四爻:チャンス到来 五爻:チャンスを認識、活かす 上爻:誠実に臨む
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20 |
風地観
(ふうちかん) |
今は行動を起さず状況を見定め、勉強する時期で情報を集め、多方面からの検討が必要です。 |
〓解釈〓
「地」の上に「風」がある形で、大地の上を風が吹き渡っていく様子です。
地上の万物はざわついています。そんな時は風と一緒に走り回るのではなくじっとして地上の様子、風の行く末を見極めなければなりません。
「観」には「周りを観る」「仰ぎ見る」の意味があります。
状況を見定める時でもあり、自分より大きな物を仰ぎ見る、勉強の時でもあります。
〓変爻〓
初爻:目先の事しか見えていない 二爻:全体が見えていない 三爻:自分の事は見えている 四爻:社会の動きが見えている 五爻:目下の人を見て反省する 上爻:広く全体を見る
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21 |
火雷噬
(からいぜいこう) |
トラブルや障害は公正明大な態度で正さなければなりません。うまく切り抜ければ成功し、人間的にも成長するでしょう。 |
〓解釈〓
「噬コウ」とは「噛み合わす」の意味です。
卦の形でみると、初爻・上爻が陽で歯を表し、真中が口中の陰、そして口の中に食物(一陽)がはさまっています。
食物を噛む歯は「火」と「雷」で、「火」は明であり雷光、「雷」は動くです。
この象徴から、はさまれている食物は囚人であり、その罪を「火」と「雷」で公正明大に裁く、としています。
またこの卦にはもう一つ解釈があります。
「火」を太陽、「雷」を大通りとして、日中大通りに大勢の人が集まる市と解釈すると、商売繁盛を意味する卦になります。
〓変爻〓
初爻:小さな悪事を正す 二爻:柔和な態度で正す 三爻:悪心ある人物に手を焼く 四爻:苦労・損害もあるが得るものは貴重 五爻:損害なく、貴重なものを得る 上爻:罰せられ困難な状況におちいる
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22 |
山火賁
(さんかひ) |
芸術、勉学には良いでしょう。また多少身を飾るのも良いです。けれど、どれも飾る事は外面のみのため、ほどほどにしなければなりません。 |
〓解釈〓
「山」の下に「火」がある形で、山に夕日の照り映えている様子です。
「賁」は「飾る」の意味で、文学・芸術の卦とされこの卦を得れば文学・芸術は良いところまで行くでしょう。
ただ、「火」は芸術が盛んてある事をあらわしますが、上にある「山」でとどめられ遠くにまで及ばないとしています。
また、「火」は“美”でありますが中虚で実がありません。
芸術は他の事業と比べると非実用的であるからでしょう。
芸術は良いけれど他の実用と合わせて上手く活用すべきである、としています。
また身を飾る事や贅沢を、ほどほどにするよう戒めた卦でもあります。
〓変爻〓
初爻:行動を立派にする。不義のものは断る 二爻:質素な飾りをする 三爻:飾る事で人が寄ってくる 四爻:外面より中身 五爻:自分は飾らず質素にして大仕事をする 上爻:中身が大切だと悟る
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23 |
山地剥
(さんちはく) |
何をしても上手くいきません。どんな苦難でも黙って耐えるより仕方がない状態です。 |
〓解釈〓
「剥」は「はがす」の意味です。
栄華を極めたものはやがて廃れていくのが世の理で、今は自然の成り行きに身を任せるしか他にありません。
卦の形は、五つの陰の上に一つの陽が乗っています。
土台に力がなく、屋根が落ちるばかりの状態です。
「地」の上に「山」がある形ですが、この場合「砂」の上に「山」と解釈し、山は崩れ落ちるとしています。
どうしようもない状況ですが、時が来ればそれも自然に変化していきます。
〓変爻〓
初爻:誠意が仇で返ってくる 二爻:中心の部分から壊れる 三爻:倒れるが、起き上がって巻き返す 四爻:困難が重なる 五爻:どん底。しかしこれ以上落ちない 上爻:誠実を貫いて救われる
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24 |
地雷復
(ちらいふく) |
今までの不運は去り、道が開けます。時間はかかりますが必ず成功します。 |
〓解釈〓
「復」は復活を意味します。
「地」の下に「雷」が潜む形で、これからやっと上昇しようという所です。
時間はかかりますが、やがて成就するでしょう。
卦の形も初爻の陽の上に五つの陰がある形で、その道を阻むものはありません。
〓変爻〓
初爻:苦労が実を結ぶ 二爻:以前より良くなって戻る 三爻:一進一退だが失敗はない 四爻:悪にまじらず一人で帰ってくる 五爻:戻って喜びあり 六爻:戻り損なう、災難にあう
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25 |
天雷夭妄
(てんらいぶもう) |
心から誠意をもって対処する時です。流れに沿って、自分の役割を誠実に果たしましょう。また、誠実さを欠いたときには失敗の危険があります。 |
〓解釈〓
「妄」は「不義」、「夭」は「無い」と同じ意味です。
つまり、悪心・私利私欲を捨てて誠実であるべきことを説いています。
卦は「雷」の上に「天」がある形です。
「雷」の本質は「動」で、大いに動き回りたいところを天に押さえられています。また、長男が老父に押さえつけられている形でもあります。
この卦を得たら、天(自然の成り行き・自分の役割
等)に従って誠実に行動しなければなりません。
〓変爻〓
初爻:志はとげられる 二爻:私欲がなければ吉、あれば凶 三爻:注意が足らないと災難あり 四爻:誠実にして待つ 五爻:心配事は自然に消える 上爻:待つべきときに動いて災難にあう
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26 |
山天大畜
(さんてんたいちく) |
大きなチャンスが目前まで来ています。けれどこのチャンスに気付いていないかもしれません。時が来たら大仕事が出来るでしょう。準備して下さい。 |
〓解釈〓
「山」の中に「天」のある卦で、大きな蓄えがあります。
また、上昇しようとする「天」を止まって動かない「山」が押し留めている形で、この卦を得る人の心は常に不平不満が絶えず、矛盾した二つ物の葛藤などで悩んでいるかもしれません。
この「大畜」の時は、誠実にしていて、また内にこもらず大いに外に出て大事業を起すべきだ、としています。
また、日々徳を積むべきである、とあります。
〓変爻〓
初爻:時が熟していない 二爻:実力を養う時 三爻:ここで努力するかによって成否が分かれる 四爻:自信がないが出来る 五爻:うまくいく、良い事がある 上爻:思う通りに成る
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27 |
山雷
(さんらいい) |
誠実に心正しくして努めれば、望むものを得られます。自分自身の中の良いものを磨いていきましょう。 |
〓解釈〓
卦の形は、初爻と上爻が陽で、真中の4つの爻は陰です。
人の口の形をしていることから、アゴをあらわす「頤」がつけられています。
また、上卦が動かない「山」で下卦が動く「雷」であることも人間のアゴを思わせます。
「頤」の意味としては「養う」で、この場合働いて他人から「養」をもらうことを表します。
口のなかに食べ物をいっぱい入れたいという状態で、他人から「養」をもらうには「誠実」で「勤勉」であることが第一としています。
また、口を開けている様子から、他人の食物をうらやんで“よだれ”をたらすことを戒めてもいます。言語を慎み、飲食を節せよ、とあります。
また他に、「養う」を「自分を養う」とし、自分の中の良いものを磨くべきである、としています。
〓変爻〓
初爻:むさぼりを慎む 二爻:自ら養おうとしていない 三爻:正しい事をしていない 四爻:将来は自分で養っていける 五爻:援助を求める、特に智恵 上爻:人を養う
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28 |
沢風大過
(たくふうたいか) |
大きな責任を持たされたり、実力以上の仕事を任されて混乱しがちです。大変な時ですが、誠実で柔和、柔順な態度であれば切り抜けられるでしょう。 |
〓解釈〓
初爻と上爻の2つの陰で、真中の4つの陽を支えている形です。
その重さにたえられず常にふらふらしている様子で重責のためバランスを崩しそうな危うい状況です。
けれど、卦の形を見ると、下卦の「風」は“柔順”で上卦の「沢」は“悦び”です。
柔順な態度で、相手に親しく楽しげに接すれば苦労しながらも何とか成功を収められるでしょう。
〓変爻〓
初爻:態度が丁寧すぎる 二爻:喜びあり 三爻:荷が重過ぎる、助けもない 四爻:重荷を支える、気を抜いてはいけない 五爻:悪評がある 六爻:重荷を支えきれない、理解者はある
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29 |
坎為水
(かんいすい) |
大変危険で困難な時期です。今は動かず、時を待ちましょう。誠実な態度でいれば、いつか困難の時を抜け出られます。 |
〓解釈〓
「坎(水)」を上下に重ねた卦で、その本質「陥る」を表します。
「水」は陰の間に陽が陥った形をしており、困難な状況を示します。
けれど、水は周囲の状況にあわせて低い方、低い方へと流れていきますが決して自分の形は失わず、ついには集まって大川となり海へと流れ出ます。
今は苦しい時かもしれませんが、あきらめず誠実な態度で時を待てばいつかは成就するでしょう。
〓変爻〓
初爻:精神的に弱る、道を見失う 二爻:悪人に囲まれる 三爻:行くも行かぬも凶 四爻:目上・目下の間に挟まれる 五爻:困難にあるが解決できる 上爻:一切を失っても正しい道に戻るべき
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30 |
離為火
(りいか) |
他の人につくことで、自分を活かせます。文学・芸術、世の中を明るくすること等に良いでしょう。 |
〓解釈〓
「離(火)」を上下に重ねた卦で、「離」の性質を表します。
火は明るく物を照らし、焼き尽くす力強さを持っていますが、火は燃やすものがなければ存在する事ができず、主体性がありません。
その性質を活かすためには、他からの作用が必要です。
「離為火」を得たら、あまり自分の主張をせず、柔順な態度で他に従って行動するのが良いとされています。
また、「火」は文学・芸術をあらわしますので、その方面には良いでしょう。
〓変爻〓
初爻:先例を考慮して慎重に 二爻:自分を活かせる 三爻:事の最盛期は過ぎた 四爻:急な焼失 五爻:事は終わるが、良い終末 上爻:最盛期。成就する。
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31 |
沢山咸
(たくさんかん) |
物事や人物があるべき場所におさまり、自然と調和のとれた役割を果たします。婚礼を占ってこの卦を得たなら、それは天の結ぶ良縁となります。 |
〓解釈〓
「沢」の下に「山」がある形で、「山」の少男が「沢」の少女を求めていく形です。
そして、各爻とも陰陽が相応じています。(初爻と四爻、二爻と五爻、三爻と上爻)
物事があるべき場所に和合して収まるでしょう。
婚礼を占ったなら大吉です。
「咸」には「みな」や「おなじ」という意味があり、うまく調和のとれた状態をあらわしています。
〓変爻〓
初爻:物事の始めの時 二爻:柔順にして吉 三爻:注意を怠らず、気を引き締める時 四爻:誠意を大切にして吉 五爻:悔いはない 上爻:口に災いあり、控えめに
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32 |
雷風恒
(らいふうこう) |
日常生活(昔からのならわし、夫婦生活 など)が平和に順調に続きます。 |
〓解釈〓
「恒」は「恒久」の意味です。
上卦の「雷」は“動く”で、下卦の「風」は定体がなく止まることがありません。それなのに「恒久」とあり、不思議に思われるかもしれません。
「恒」の字のつくりの「亘」は「渡る」という意味で、船が両岸を休むことなく、同じコースを繰り返し渡ることをあらわします。
「恒」とは石のように動かず変わらないものではなく、四季の変化や月の満ち欠けのように循環しながら恒久に繰り返していくものです。
日常生活や夫婦生活、昔からの習慣が順調に続いていくことをあらわした卦です。
〓変爻〓
初爻:順調に行くまで時間がかかる 二爻:万事順調 三爻:流れを乱す事をしてはならない 四爻:不調でもやり抜く 五爻:自発的に行動をする時 上爻:「恒久」が崩れかけている
|
33 |
天山遯
(てんざんとん) |
物事は同じ所に留まらず変化していきます。今まで上位にあった人は退くことになり、恵まれていなかった人には運が向いてきます。 |
〓解釈〓
「遯」とは「退く・逃れる・かくれる」の意味です。
物事は長く一ヶ所にあれば、自然と変化があって去るようになります。
卦の形は、「山」の上に「天」がある形で、山は動くことがなくても、天は山の上から悠々と離れ去る様子を示しています。
今まで上位にあった人は、新たな勢力がくるのを認めたり、または自分が退いた方が良いかもしれません。
これから物事を改革して行こうとする人は、すべてが順調な今ですが、目先のことに気をとられ明日を考える余地がなくなっています。
〓変爻〓
初爻:逃げ遅れる 二爻:変化せずに凶 三爻:未練のため逃げ遅れる 四爻:未練を振り切って退けば吉 五爻:退く、吉 上爻:豊かに退く
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34 |
雷天大壮
(らいてんたいそう) |
運勢が非常に盛んになっています。誠実に落ち着いて進めば成就しますが、万事強すぎるため、謙虚さ、誠実さを欠くと上手くまとまりません。 |
〓解釈〓
「雷」が「天」の上で勢いよく動き回る様子で、「大壮」は「勢いが盛ん」という意味です。
まさに夏の雷のような激しさですが、万事において激し過ぎるようです。
運気が良い時なのですが、謙虚にして私利私欲を捨て、正しい方向に力を向けなければ上手くまとまらず、
短気を戒め、落ち着いて事を運ばなければ、途中で破れてしまいます。
雷が天上で鳴り渡るのは、意気は盛んですが、その影響は少なく雨が降る事も少ないのです。
万事、掛け声は大きくても実りは少ない、とされています。
〓変爻〓
初爻:誠意は通じない 二爻:強く礼儀正しく誠実なら吉 三爻:謙虚さがなければ失敗する 四爻:道が開かれる 五爻:利があっても損もある 上爻:試練の時
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35 |
火地晋
(かちしん) |
前進の時です。今までの苦難を抜け出て日の目を見られます。 |
〓解釈〓
「晋」は「進む」の意味です。
卦の形は「地」の上に「火」がある形で、太陽が昇って地上を照らしている様子です。
古来より立身出世の卦とされていて、苦境を抜け出て得意の境に進む事を示しています。
易経では、人間は高い地位に昇ったなら人間本来の美点を磨かなければならない、としています。
天狗にならないよう自分を戒めることも大切です。
〓変爻〓
初爻:一進一退。もうすぐチャンスが来る 二爻:一進一退。目上の人の引き立てがある 三爻:周囲から認められる 四爻:障害があり一歩退く 五爻:障害はなくなる 上爻:現状維持
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36 |
地火明夷
(ちかめいい) |
実力がありながら地中に埋もれている状態です。苦しい時ですが誠実な態度を守って、時が来るのを待ってください。 |
〓解釈〓
「地」の下に「火」の形で、まさに地平線の彼方に日が沈むという卦です。
「明夷」も「明が破れる」という意味で、暗闇の卦としています。
また、「火」は文明をあらわし、「地」は柔順です。
貴方は誠実で、外にも柔順、何も悪いことがないのに時運のため「地に埋もれて」しまっています。
こんな時は苦しくても誠実に努めるしかないとしています。
時が来れば状況も変わります。
〓変爻〓
初爻:行動すれば苦難にあう 二爻:苦難にあうが切り抜けられる 三爻:反乱を起して吉 四爻:目上を立てて、難を避ける 五爻:手段を尽くし、耐える時 上爻:耐える他はない
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37 |
風費家人
(ふうかかじん) |
家庭を大切にする時です。家の中で何か問題があるかもしれません。具体的な行動にでて改善してください。 |
〓解釈〓
「家人」とは「内々のこと」で「家をととのえる」の意味になります。
卦の形は「風」が「火」の上にあり、火を煽らず、程よい炎であり暖炉や厨房を表します。
また「風」は長女で「火」は中女です。女性の集まる所は家であり、(古代中国の考えです)家庭内の道について説いた卦であります。
また風も火も、現象があって目にも見えますが定体はありません。
そのことから、言う事や格好は立派だが実力をともなわない意味があります。
この卦は、言行に具体性があり、節操があるように戒めるものです。
〓変爻〓
初爻:内に引きこもり内部調整 二爻:内で静かに過ごす 三爻:人間関係に注意する 四爻:家に関する事大吉 五爻:家族間に良い事あり 上爻:喜びが満ちる
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38 |
火沢
(かたくけい) |
対立が起きるときで、今は大きなことはしない方が良いでしょう。けれど小さな事なら、競い合うことによって、かえって良い結果を得られます。 |
〓解釈〓
「ケイ」は「そむく」の意味です。
上卦の「火」の気は上へ昇り、下卦の「沢」の気は下へ降りて交わることがありません。
大事に用いると失敗するおそれがあります。
ただ、万物は相反する働きがあってこそ進歩するものです。
小事ならば、競い合うことによって良い結果を期待できます。
また学問芸術を占ってこの卦が出たなら大吉とします。
「火(離)」は“文明”、「沢(兌)」を“口”として、「兌口文章を吐く」と言い、文才を表します。
〓変爻〓
初爻:心配は消える 二爻:良い話がある 三爻:対立にあう 四爻:皆と反目する。ただ一人味方がいる。損害なし 五爻:対立は消える 上爻:悪状況が好転する
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39 |
水山蹇
(すいざんけん) |
困難な状況で進退窮まっています。今は動かず時を待ちましょう。今は反省し、勉強する時です。 |
〓解釈〓
卦を見ると、前は「水」の“大険”で、後ろは「山」の“峻険”です。
前に進めず、後ろにもさがれません。
「蹇」は足が不自由で自由に動けない状態をあらわします。
こんな時は、反省したり目上の人から学んだりと、勉強して時を待つのが一番です。
〓変爻〓
初爻:行けば立往生、来るのを待て 二爻:今は耐える時。後、解決する 三爻:行けば立往生、戻れば喜びはある 四爻:辛抱の時。やがて良い事あり五爻:困難の中、助けあり 上爻:行かず、止まるか帰る。そこに大吉あり。
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40 |
雷水解
(らいすいかい) |
今までの困難から抜け出せるでしょう。けれど決して気を緩めず進んで下さい。 |
〓解釈〓
「解」は「ゆるむ」の意味です。
「水」の上に「雷」があり、「水」の険中から「雷」が抜け出して動き回る形です。
また、雷雨が降る様子で、冬を越して春が来ることを示します。
けれど、この卦にはまだ「喜び」はありません。
苦難から抜け出して安心してしまうのは心の「ゆるみ」です。
気を緩めて、もとの険に戻らないよう今は気を引き締めなければなりません。
易経ではこのように忠告しています。
「行く所がなければ早く戻りなさい、あれば速やかにいきなさい。行ってまずければ、すぐ引き返して他へ行き、良ければ早く行きなさい。」
また、苦難を経験せずにこの卦を得た人には、怠惰、弛緩の意味になります。
〓変爻〓
初爻:悪い事はない 二爻:予想外の利益あり 三爻:油断しすぎ 四爻:大損をしても、誠実にして吉 五爻:大損をしても決行。結果は吉 上爻:苦難を抜け出て、良い結果を得る
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41 |
山沢損
(さんたくそん) |
目先のことはマイナスでも、それが将来いきてきます。現在の多少の犠牲は吉となります。 |
〓解釈〓
「損」は持つ物を失うの意味です。
「山」の下に「沢」がある形で、「沢」は深い谷をさらに削って「山」の上に積みます。
けれど、沢は深いほど物を育成し、山もその高さのために山としての用を果たします。
今損をしても、それは良い使われ方をするのであり将来に活かされます。
また、今他から得るものがあるなら(山の立場になったなら)それは大切に使わねばなりません。
〓変爻〓
初爻:悪い事はない 二爻:行けば凶 三爻:疑いをかけられる。一人で行くと吉。 四爻:悪いものを失う。大吉 五爻:有力者を助ける。大吉 上爻:損をせずに利益あり。大吉
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42 |
風雷益
(ふうらいえき) |
大きな仕事ができる時です。目標達成に専念することで困難も突破出来るでしょう。 |
〓解釈〓
「益」は「利益」であり、今までの努力が実って利益を得る時が来ています。
下卦の「雷」が動き、鳴っているのを上卦の「風」が天下に広めようとしています。大きな仕事ができるでしょう。
ただ、風も雷の定体がなく、安定性がありません。
易経では、安定性がない時世に目的を達成するには正しい物を求める心を専一することによって出来る、としています。
〓変爻〓
初爻:大仕事ができる。大吉 二爻:目上に良い人を得て、大いに働ける 三爻:大いに働く時 四爻:社会を動かすほどの大仕事が出来る時 五爻:誠実な心のため大吉 上爻:私利私欲のために失敗する。凶
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43 |
沢天夬
(たくてんかい) |
張りつめていたものが決壊する危うい時です。けれど、柔和な態度を保ち、何事も控えめに忍耐するなら、いつか希望は叶います。 |
〓解釈〓
「五つの陽」の上に「一つの陰」が乗っている形で、自然の流れのままに「一つの陰」が取り去られようとしています。
「夬」とは「えぐりとる」「取り去る」の意味です。
「一つの陰」は独り天上にあって、富を欲しいままにしています。
その状態のまま行けば、下にあるのは剛強な「五陽」ですから「一陰」は取り去られてしまうでしょう。
卦の形では、「沢」が「天」の上にあり、決壊して流れ落ちる形です。
この卦を得たなら、物事が決壊する前に持てるものを他人に分け与え、柔和な態度で万事控えめにしなければなりません。
〓変更〓
初爻:攻撃しても勝てない 二爻:騒ぎがある、自分の立場は守れる 三爻:怒ることがある、大損害はない 四爻:パニックになる 五爻:切り捨てる決断がつかず、凶 上爻:切り捨てられる、耐える他なし
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44 |
天風
(てんぷうこう) |
物事がまとまらず悩みやすい時期です。けれど、様々な可能性も秘めていますので、今は落ち着いて自分の行く方向を見定めてください。 |
〓解釈〓
「一つの陰」が「五つの陽」の下にあって押して進む形であり、「陰」が「陽」と出会うということで、「コウ」“あう”という意味の語がつけられています。
陰が陽を押して進むことから、強い女性をあらわす卦となり、「コウ」も「女の王(后)」を表します。
結婚を占ってこの卦を得たなら、その夫婦は女性の方が強くなるでしょう。
また、この卦は「陰」と「陽」が合うことから、すばらしい可能性を秘めた卦とされています。
けれど、「天」の下に「風」が吹きまわる形であり、「五陽」を「一陰」で支えている形でもありますので、安定性がありません。
身辺が定まらず、思い悩む時でもありますが、大いなる可能性を秘めています。
焦らず自分の行く先を見定めてください。
〓変爻〓
初爻:行けば凶。自分の意志を強く持つこと 二爻:下心のものは断るべき 三爻:落ち着かない。女性に注意 四爻:災難がある。女性に注意 五爻:大失敗につながる、注意 上爻:災難にあう
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45 |
沢地萃
(たくちすい) |
人が集まり、良い仕事が出来るでしょう。今は倹約すべき時ではなく、大いに使って大いに利を得る時です。 |
〓解釈〓
「萃」は「あつまる」の意味です。
「地」の上に「沢」があれば、草木・獣・人もこれを求めてこの地に集まるでしょう。
また、「地」は“従順”であり、「沢」は“悦び”で、「従って喜ぶ」、名君の下に人民が集まった形でもあります。
今は皆集まって仕事をすれば豊かに利を得る事が出来ます。
ただ、人が利に集まれば争いが起きます。
注意は怠らないようにして下さい。
〓変爻〓
初爻:私的な集まりが大きくなる、大吉 二爻:身を引き、人を立てれば吉 三爻:人が集まらない 四爻:人が集まって親しむ、大吉 五爻:人気があり指導者になる。実力をつけること。 上爻:独りでいる。悪くはない
|
46 |
地風升
(ちふうしょう) |
成功と幸せへの階段を着実に上っていく時です。目上の人の引き立てもあるでしょう。焦らず順を追って進んでいくのが大切です。 |
〓解釈〓
「升」は「のぼる」の意味です。
「風」の“木の実”が「地」より芽を出し、成長していく様です。
「風」も「地」もともに「柔順」の意味を持っています。
そのため、柔順な態度で学んでいけば、目上の引き立てを得て順調にのぼって行くことが出来るでしょう。
また、木の実が育ち、大木になるには長い年月が必要なように、成長し大成するまでには時間がかかります。
焦らず、また日頃の努力を怠らず学んでいかなければなりません。
〓変爻〓
初爻:一歩一歩楽しみながら上る 二爻:信念をもって志を貫く 三爻:障害はない。大吉 四爻:周囲に感謝して、吉 五爻:上りやすい道。大吉 上爻:上りすぎ。初心にかえること
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47 |
沢水困
(たくすいこん) |
何事も思うように進まず、困難な時です。しかし誠実な態度で忍耐して下さい。ここを通り抜ければ道は開かれ、人間的にも成長するでしょう。 |
〓解釈〓
「沢」の下に「水」がある卦で、沢の水がすっかり流れ出て涸渇してしまった状態です。
沢に水がなくなれば、そこに住む魚や生き物たちが苦しみ、死に至るわけで「困難」の「困」がつけられているのです。
このような困難にあった時は、誠実な態度で辛抱し、時を待つしか他にありません。
この困難に負ければ身を亡ぼすとしています。
ここを通り抜けてこそ、大事業の基礎もでき、人間的な成長も望めます。
〓変爻〓
初爻:困難が続く 二爻:チャンスの時は控えめにして吉 三爻:困難に囲まれる 四爻:助けは遅いが、間に合う 五爻:過酷だが努力して末吉 上爻:反省があれば吉。なければ凶
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48 |
水風井
(すいふうせい) |
必要な物は得ることができます。焦りや心配のみが凶で、静かに落ち着いていることが大切です。 |
〓解釈〓
「井」は「井戸」です。
「水」の下に「風」が入り込む形で、この場合「風」は井戸の釣瓶(つるべ)を表し、この卦は井戸のあり方を説いた卦です。
井戸の水は汲んでも尽きず、人々は皆その恩恵を受けることが出来ます。
けれど、井戸の恵みはそこにあるのですが、井戸を掘る時に途中で諦めてしまったり、水を汲む時に焦って釣瓶を壊してしまう事もあります。
恵みを前にして、焦ったり、その恵みに安心できない心を戒めています。
この卦を得たら、動いたり改めたりするのではなくじっとして静かに落ち着いているのが良いでしょう。
〓変爻〓
初爻:井戸の水が使えない。勉強し直し 二爻:釣瓶が割れている。水が汲めない、役に立たない 三爻:水を飲む人がいない。必要としてくれる人がいない 四爻:これから上手くいく 五爻:素晴らしい井戸に辿りつける、吉 上爻:井戸の水は尽きない。人に奉仕する時。吉
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49 |
沢火革
(たくかかく) |
改革の時です。思いがけない事態の好転で幸運が舞い込むでしょう。積極的に行動してチャンスをものにしてください。 |
〓解釈〓
「沢」が上に「火」が下にある形です。
「沢」の水が強くて決壊すれば下の「火」は消え、「火」が強ければ「沢」は涸渇します。
この卦の形では、どちらか一方が滅びねばならないでしょう。
「革」の本意は「古いものは去る」です。
今は改革の時であり、古いものは残さずすっかり変えてしまわねばなりません。
易経では改革の時に必要なのは「信頼」であるとしています。
周りの信頼を得るために誠実な態度を大切にしてください。
そのようにして改革を断行するならそれは成功し、悔いを残す事は無い、としています。
〓変爻〓
初爻:準備の時 二爻:改革を始める時 三爻:慎重に進める、相談をする 四爻:改革、成功 五爻:占わずとも大成功する 上爻:改革を終える時
|
50 |
火風鼎
(かふうてい) |
上昇の時です。新しいものを取り入れることによって物事は改善されていきます。 |
〓解釈〓
「鼎」とは“かなえ”という名前の物を煮焚きする道具です。
卦の形は、「火」の下に「風」が入って炎が強く燃え上がる様子です。
また、「風」は「木」を表しますので、火に木を加える形でもありそれによって物を煮焚きすることが連想されたのでしょう。
この火風鼎は、前の卦の沢火革と同じく「改革」の意味を持ちます。
そして、沢火革が“古きは去る”であるのに対し、火風鼎は“新しきを取る”です。
料理は、食材を煮焚きすることによって出来上がります。
硬いものは柔らかくなり、味もつき、形も変わり、食べられるようになります。
火風鼎の改革は、新しいものを取り入れ、学び、成長することによって
成されます。
また、「火」は文明を表します。文化芸術を占ってこの卦を得たら風がその火を広めるように、世間に認められ、成功するとしています。
〓変更〓
初爻:悪いものが出て、改革される 二爻:外に災いがあっても害はない 三爻:時が来れば得られる 四爻:力量以上、凶 五爻:利益あり、大吉 上爻:悪いことは何もない、大吉
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51 |
震為雷
(しんいらい) |
忙しいこと、大変なこと、焦ることなど騒動があるかもしれませんが、実際には大きな動きはありません。いつも通りに振舞うのが良いでしょう。 |
〓解釈〓
「雷」を上下に重ねた卦で、「雷」そのものの性質を表します。
雷の本質は「動く」です。
雷は2つの陰に陽が押さえつけられている形で、陽は正しい位置である上へ昇ろうとして怒り、焦り、動き回るのです。
しかし、雷は音だけであって形のないものです。
勢いよく動き回るが形にならない、掛け声だけで実力がともなわないと解釈されます。
忙しくても利益に結びつかない、焦ってもなかなか進まない。
大変な事が起きたように見えるが、過ぎてみれば大した事もない。
そんな状況の時が多いようです。
〓変爻〓
初爻:奮起する時。誠実にして吉 二爻:今は退く時 三爻:奮起して災難を逃れる 四爻:障害が多く、動けない 五爻:志は貫くこと 上爻:障害は突破するべき
|
52 |
艮為山
(ごんいさん) |
物事が動かず、前進のない時かもしれません。そんな時は無理に動こうとせず今出来る事をして、落ち着いているのが良いでしょう。 |
〓解釈〓
「艮」の本質は「止まる」です。
「艮」は二つの陰の上に陽が乗っている形で、陽が本来あるべき位置に満足し、動こうとしない様子です。
「艮」を二つ重ねた艮為山は、「艮」の性質そのままを表します。
物事は止まり、動きのない状態かもしれません。
しかし、物事は動く時もあれば、止まる時もある、というのが自然のあり方です。
そんな時は、流れのままに動かないでいれば悪い事はありません。
また、「艮」の“自分の位置に満足する”という性質から自分の本分を果たし、他の物に手を出さないように忠告する意味もあります。
〓変爻〓
初爻:止まっているのが良い 二爻:動けないのに無理強いされる 三爻:動けない。心痛がある 四爻:動かないでいるのが吉 五爻:動くときは慎重に 上爻:動く必要はない
|
53 |
風山漸
(ふうざんぜん) |
時間はかかりますが、確実に進歩・向上します。焦らず、物事の順を追って進んでいって下さい。 |
〓解釈〓
「漸」とは、水が次第に切り口に染み通る意味で、じりじりと物が順序を追って進む状態を示します。
卦の形は、「山」の上に「風」がある形です。
この場合「風」は“木”ととらえて、山の上に木が生える様子です。
木が山の上に根をおろして成長するには、谷間の木のようにはすくすく伸びず、じりじりと次第に根を伸ばしていかねばなりません。
この卦を得たら、向上、進展は間違いありませんがそれには誠実に待ち、順をおって進んでいくことが必要です。
〓変爻〓
初爻:進み始める 二爻:少し進み、喜びあり 三爻:災難に対する準備をする 四爻:まだ実力がない、柔順な態度でいる 五爻:待っていれば良い 上爻:目的の達成、大吉
|
54 |
雷沢帰妹
(らいたくきまい) |
進めば良い事はなく、非常に悪い結果が待っています。一時的な欲に目がくらんで正邪の判断ができなくなっている事が多いようです。 |
〓解釈〓
「帰妹」とは女性が嫁入りすることを表します。けれど、この卦の場合決して良いものではありません。
卦の形は、下卦が「沢」で少女を表し、上卦が「雷」で長男を表します。
易の解釈は常に下卦を元とします。この卦の形では、少女が長男に婚姻を求める形で、易経ではこれを婚姻の礼を失ったものとしています。
このことから、この卦は女性が男性を惑わす卦、不倫の卦、欲情に目が眩んでいる卦としています。
また他のことを占って得た場合でも、物事の礼を欠いている形から決して良い結果ではないとしています。
〓変爻〓
初爻:順当であり、吉 二爻:誠実にして、無理をしない方が良い 三爻:良くない。改めた方が良い。四爻:機会を待つこと 五爻:名より実をとる 上爻:利益なし。うまい話に注意
|
55 |
雷火豊
(らいかほう) |
勢いがあり、今が一番良い時です。これ以上の繁栄はなく、現状を維持するためには、公正明大・誠実さを大切にせねばなりません。 |
〓解釈〓
下卦の「火」は“明”であり、上卦の「雷」は“動”です。
明をもって動けば、盛大にとなり、「豊」はその“盛大”を意味します。
今は物事が盛大を極めている状態ですが、何事も、全盛のあとは衰退していくのが自然の理です。
易経では、現状を維持していくには公正明大・誠実な態度であること意外に方法はないとしています。
今は不正なことがあればただちに運が傾く時ですから特に気をつけて下さい。
また、文学芸術を占ってこの卦を得たなら、名誉を得られる吉兆となります。
〓変爻〓
初爻:平等が良い。 二爻:尊大に振舞うと妬まれる。謙虚さが大切 三爻:妬みから害が及ぶ 四爻:人に助けられる、人から学ぶ時 五爻:名誉を得る 上爻:成功するが本人はその利を得られない。凶
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56 |
火山旅
(かざんりょ) |
周囲と孤立したり、自分の居場所をなくしたりと、行き場の無い状況です。けれど自分の志を貫き、進んでいくなら、いつか落ち着く先が見つかります。 |
〓解釈〓
「旅」とは旅行、旅することです。
卦の形ですが、下卦は「山」で動かないもの“宿”とし、上卦は「火」で一定の場所にとどまらず、次々と移っていくものとします。
その意味から宿から宿へと移っていく旅人を表しているのでしょう。
また、「山」の上に「火(太陽)」がある形ですので、太陽が山に沈む様子を表し、運勢も沈みこむことを示しています。
現代人の場合、旅は楽しみでありますがこの卦においての旅は、国や家を失い、追われて出る旅です。
周囲から孤立したり、行く先をなくしている時かもしれません。
易経は、旅の時の人生態度は誠実であるのが一番としています。
誠実にして、自分の心をかえず、志を貫き通すなら、いつか旅の境遇を脱することができるでしょう。
〓変爻〓
初爻:思い悩む 二爻:一時良い事がある 三爻:災難に遇う 四爻:困難がある 五爻:名誉を得る 上爻:後災難にあう、謙虚に振舞っておくことが大切
|
57 |
巽為風
(そんいふう) |
柔順で、控えめな態度が大切な時です。何かと迷う事も多いので人を補佐して仕事をし、目上の人を見て学ぶのが良いでしょう。 |
〓解釈〓
「風」を上下に重ねた形の卦です。
「風」は二つの陽の下に陰が入り込んだ形です。
風のどんな所にでも入り込む性質を表しています。
柔順な態度で、相手に付き従うようにすれば進んでいく事が出来るでしょう。
巽為風を得たら、小さなことなら願いは通るとしています。
また、風は一陰で二陽を支える形でもあります。
そのため安定がなく、一つのところに留まることはありません。
色々と思い悩むこと、不安定なことがあるため、大きな事をするのにはむいていません。
〓変爻〓
初爻:思い悩まず、行動に出る 二爻:方法を模索する時 三爻:早く決断すること 四爻:順風。大いに進んで利益あり
五爻:方針を決めて、迷わず進む 上爻:自分を失っている
|
58 |
兌為沢
(だいたく) |
嬉しいことがあり気が緩みがちです。こんな時こそ誠実な態度で事に当たるのが大切で、それによって喜びをさらに大きなものへ発展させられます。 |
〓解釈〓
「沢」の本質は「喜ぶ」です。
その「沢」を上下に重ねた形の卦ですから、内外に喜びの情を表したところと言えます。
自分も周囲も喜ぶので、目的は大いに達成されるとしています。
けれど、人間も嬉しいことがあれば心が緩みがちになります。
そんな時には上に立つ人間から誠実な態度で勤勉に働けば、下の人間も喜んで動き、さらに喜びが増すとしています。
〓変爻〓
初爻:仲間と楽しむ 二爻:心配が消える 三爻:良いと思ったもの、後凶 四爻:悦び事、断った方が良い 五爻:行けば致命的な損害あり 上爻:身を引いて喜びあり
|
59 |
風水渙
(ふうすいかん) |
変化の時です。これまでシコリとなっていたものが消え、新しい事を始められるでしょう。けれど、今まで順調だったものも変わっていきます。 |
〓解釈〓
「渙」とは「離れる・散る」の意味です。
「水」の上に「風」がある形で、水上を風が吹き、さざなみが立って、集まっていたものが散らばっていくところを表しています。
“散る”ことの吉凶は、占うものによって変わってきます。
情報を広めるとき、世間にでるとき、商売をするときなどには吉でしょう。
家族や友人ならば、散っていくことから凶でしょう。
けれど大体は、これまでシコリとなっていたものが散る状態で、それによって新しいことに取り掛かることができるため、吉とします。
〓変爻〓
初爻:散り始める。早く去って吉 二爻:しがみついて離散をのがれる 三爻:散って悔いなし 四爻:散って吉 五爻:大仕事の着手、広める時。大吉 上爻:少しの損害、難題を解決する
|
60 |
水沢節
(すいたくせつ) |
何事も節度が大切です。度を過ぎず、ほどよいところを知って進めば上手くいくでしょう。 |
〓解釈〓
「節」は「節度」のことです。
「沢」の上に「水」が乗っている形で、沢に水があれば魚や草木が集まって繁昌します。けれど、その水が多すぎれば溢れて洪水になってしまいます。
ですから、沢に水があるのも限度が必要であり、この卦は節度のあり方について説いたものです。
「節」とは木や竹が、そこで成長が一時止まって苦しんだ跡です。
しかし、その節があるために木や竹は強く丈夫に育つのです。
そして易経では「苦節は良い、しかしそれも度を過ぎてはいけない」と説いています。
つまり、「物事には節度が必要だが、その節度を守るのに苦しむのもほどほどにしなければならない」との事です。
何事も「ほどよい」程度が大切です。
〓変爻〓
初爻:動かなければ良い事も悪い事もない 二爻:動かなければチャンスを失う 三爻:節度を守らなければ後で困る 四爻:節度をもって、満足する。吉 五爻:今の状態を楽しんでいる、吉 上爻:苦節、凶。見切りをつけるのも良い。
|
61 |
風沢中孚
(ふうたくちゅうふ) |
今は正直で誠実であることが大切です。誠実であるなら困難を乗り越え、大きな仕事も出来るでしょう。 |
〓解釈〓
中孚とは“信”であり、信頼、誠実、正直などの意味です。
下卦の「沢」は“悦び”を表し、上卦の「風」は“柔順”を表します。
「悦び」をもって接すれば「柔順」をもって答える、下卦も上卦も誠真のある卦です。
また卦全体の形では、上の二爻が陽、下の二爻も陽。真中の二爻は陰の形で上下どちらにも偏りがなく、平等を表します。
今は正直・誠実な態度を示し、信頼関係を大切にするなら困難も乗り越え、大きな仕事さえこなす事ができます。
だだし、この卦を得て、誠実さを欠いているなら凶とし、正直であるようにと戒めたものになります。
〓変爻〓
初爻:現状で満足すれば良し 二爻:平和。吉 三爻:敵の出現 四爻:叶うのは間近。昔の物は捨て去る 五爻:良いものが二つ並ぶ、吉 上爻:無理して進んではいけない、勉強し直し
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62 |
雷山小過
(らいさんしょうか) |
何事も下手に出て、控えめにするなら良いでしょう。小さな事、些細な事をするには良いですが、大きな事はしてはなりません。 |
〓解釈〓
「小過」とは“小が過ぎる”で、小さ過ぎるぐらいが良いという意味です。
「山」の上に「雷」がある形で、遠くで小さく鳴る雷を表します。
また、動かない「山」の上に、動きまわる「雷」があって、そむき合う性質が背中合わせになっています。
この時、小さく動き回る「雷」が上に昇れば、「山」とますます離れて収拾がつかなくなってしまいます。
この卦を得たら、万事謙虚に下に退くのが良いでしょう。
小さなことなら、まとまって上手くいきます。
またこの卦は、小さな事で気苦労が多く、忙しく飛び回っているような人に多くでるようです。
〓変爻〓
初爻:下るべきところを昇った。凶 二爻:目的は達成できないが、良い事がある 三爻:慎重すぎるくらい、警戒すぎるくらいでよい。凶 四爻:警戒する時。早く身を引くのが良い 五爻:しすぎるくらいの準備をする 上爻:無理をすると災難がある
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63 |
水火既済
(すいかきさい) |
始めはとても順調ですが、油断をするとその幸運が遠ざかってしまいます。将来のことを考え、将来にそなえて蓄えを作っておくのが良いでしょう。 |
〓解釈〓
「既済」とは「既になる」の意味です。
卦をみると、陰と陽が交互にあってバランスをとり、また、上卦の「水」は下り、下卦の「火」は昇って水火交わり理想的な形です。
そのため、すでに最上のものが出来上がっている事を意味します。
けれどすべてのものは変化するのであり、最上のものの変化は悪い方へしか変わりようがないのです。
また卦の形でも、水の力が強くなれば火を消してしまい、火の勢いが強くなれば水は枯れてしまうというバランスが崩れやすいものであります。
良い状態を保つのは難しいことです。ですから、常に誠実な態度を大切にし、将来のことを見通して予防し、貯蓄をつくっておくのが良いでしょう。
〓変爻〓
初爻:大した損害はない 二爻:時間がたてば解決する 三爻:解決するのは大仕事になる 四爻:何事にも注意しておく 五爻:気が緩んで失敗する。誠意をつくして大きな吉あり 上爻:失敗する
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火水未済
(かすいびさい) |
今は非常に悪い境遇にあるかもしれません。けれど時が来れば希望は叶います。早まらず、辛抱して待ってください。 |
〓解釈〓
「未済」は水火既済の逆で「いまだならず」です。
卦の形も正反対で、上にある「火」は昇り、下にある「水」は下って交わらず、その役目を果たしません。
また、陰と陽が交互にありますが、陽が下、陰が上の組合せが正しいとされる位置であり、この卦の場合は逆になっています。
六十四卦中、「水火既済」ほど完全な卦はなく、「火水未済」ほど不完全な卦はないといわれます。
しかし卦の形は「海(水)」に「太陽(火)」が昇る形であり、時がくれば必ず希望は叶うとしています。
ただ、早まって進めば失敗します。苦しい時かもしれませんが、よく時期を見定めて、辛抱して待ってください。
〓変爻〓
初爻:力量以上の事。失敗 二爻:動かないのが良い 三爻:準備を始める時 四爻:動き始める。時間がかかるが達せられる 五爻:誠実さが大切、次への準備の時 上爻:新しく変わる
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